WebサイトやECサイトの場合
機会損失の軽減
googleは最新の調査をもとに、画面が完全に表示されるまでに3秒以上かかると、半数のユーザはページを離れると報告しています。検索の高速化により脱落していたお客様を取りこぼさないことで、ECサイトの売り上げや自社サイトへの問い合わせ減少に歯止めを掛け、機会損失の軽減=コンバージョンの向上に貢献します。
ユーザビリティの向上
特にECサイトや情報検索型のサイトで顕著なのは、検索オプションの充実や、地図検索等のユーザビリティに直結する機能の速度です。せっかくの機能が遅ければ、ユーザの離脱を招くばかりか、DB等への無駄な負荷だけが膨らみます。
「ファセット検索」と呼ばれる複数カテゴリーを横断した絞り込み検索はApache Solrの強みです。あらかじめ、その検索条件を選んだ結果がナビゲーションになっていれば、ユーザが希望の検索結果に辿り着くまでの検索回数を減らすことができます。ドリルダウン的に検索結果に降りていく階層が浅くなれば、ユーザは同じ手数で、さらなる条件の検索を行えるのです。
緯度経度を利用した空間検索は、地図を利用した検索結果の絞り込みに有効です。地図検索の動作が早いだけで、ユーザは直観的に検索を行うことができます。
SEO効果
2018年7月、googleはモバイル版のページに対しても、読み込み速度をランキング要因に使うアップデートを実施しています(PCサイトは2010年から実施)。表示速度が遅い場合に評価が落ちるというものですが、DBの膨大なデータ量にアクセスして表示する仕組みは、表示速度の遅延を起こしやすい部分のため、Apache Solrの導入効果は大きいといえます。
業務に使用しているWEBシステムや業務システムの場合
生産性の向上
米国IDCの調査によれば、企業で勤務するユーザが情報の検索に費やす時間は、一人当たり2時間弱(1日)、年間で約144時間に及ぶとのことです。業務システム等での検索の高速化は情報検索に関わる時間を大幅に圧縮し、生産性を大きく改善します。
昨今、導入が進むRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ですが、画面をトレースする機能を鑑みれば、自動化する処理に必要な時間がさらに短縮されることになります。
また、ファイル検索やDovecotとの連携によるメールの全文検索も可能(添付ファイルのフィルタリング含む)で、業務時間の圧縮とサーバ負荷の低減が期待できます。
検索高速化の検証
Apache Solrの高速化の試験を実施しました。結果として、高スペックなサーバでなくとも、5倍から10倍(同時アクセス数による)という劇的な変化が見られました。
テストの条件
試験サンプルサイト | 複数の検索条件を横断し検索結果を表示するサイト
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テスト条件 | 試験データ数:2,500万件(実データの10倍) |
サーバスペック | 4CORE 8GB |
※協力会社提供のデータによる。
高速化の留意事項
検索高速化の足枷になるものは、検索そのものの速度だけではありません。データを格納するディスクそのもののスピードと、そこにつなぐネットワークにも大きく影響を受けます。Apache Solrはハイスペックな環境でなくとも効果を発揮します(ある程度の環境であれば、効果が見えやすい)。その一方で、環境がよほど弱ければ、それだけ得られる効果が小さくなります。高速化を実現するためには、それなりの環境に改善することも視野に入れるべきでしょう。
また、外部通信の発生するスクリプトなど、すべてを読み込むまで画面のレンダリングを終了させない表示の実装を行なっている場合、検索を高速化しても、効果が目に見えない場合があります(検索結果の抽出は終わっているのに画面の表示が遅い等)。導入に際しては、表示面にも見直しをかけることをおすすめいたします。